第31回日本静脈麻酔学会

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第31回日本静脈麻酔学会 大会長

讃岐 美智義

呉医療センター・中国がんセンター麻酔科

第31回日本静脈麻酔学会を広島で開催することができ、大変光栄に存じます。

広島は、その自然美と文化、そして科学技術の進展が交錯する場所です。季節は秋。広島県内の観光地、特に宮島は紅葉が美しく、多くの人々で賑わっています。ホテルの確保が難しいかもしれませんが、今からでも十分に楽しめる計画が立てられると思います。

本学会のテーマとして「TIVAの時代」を選びました。従来、TIVA(全静脈麻酔)は吸入麻酔との比較や、その優劣を競い合ってきましたが、時代の流れとともにその立場も変わりつつあります。特に、吸入麻酔薬のデスフルランが地球温暖化に影響を与えることが指摘され、欧州連合(EU)では2026年1月1日からその使用が大幅に制限される方向です。この影響は日本でも無視できないものであり、新たな選択肢としてTIVAが注目されています。それに合わせTIVAの技術も進化しています。従来のプロポフォールに加え、2020年に登場したレミマゾラムは循環への影響が少なく、より安全な麻酔が可能です。また、2022年には全静脈麻酔支援のシリンジポンプ制御ソフトウェアが薬機法で承認されました。これにより、「ソフトウェア医療機器」による自動投与制御が可能になり、麻酔の技術や質の向上に役立つと考えています。

学会では、これらの最新技術を取り上げ、その実用性や応用について研究発表やセミナー、ハンズオンを通じて多角的に考察します。プロポフォールを用いた従来のTIVAから、新たなレミマゾラムTIVA、そして静脈麻酔薬-自動投与制御システムのセミナーまで、多岐にわたるプログラムを用意しております。非常に盛りだくさんの内容ではございますが、この学会が皆様の研究や臨床に貢献するものと確信しております。それと同時に、本学会が一層の発展を遂げ、静脈麻酔の新たな地平を開拓するきっかけとなれば幸いです。

最後に、本学会は11月の年末に近い忙しい時期ですが、熱い議論と学びの場を提供できることを心より願っています。また、特製の記念品もご用意して、皆様の参加を心よりお待ちしております。

どうぞこの機会をお見逃しなく、広島で新たな知識と刺激を共有しましょう。

何卒、よろしくお願い申し上げます。

2023年9月

事務局

呉医療センター・
中国がんセンター麻酔科
〒737-0023
広島県呉市青山町3-1
TEL: 0823-22-3111
FAX: 0823-21-0478
E-mail: office@jsiva31.jp
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